ご存知ですか?
オランダには「パートタイム」勤務というものがあります。

「日本にもあるよ」と思ったあなた

オランダのパートタイムは言葉は同じでも、日本のものとはひと味もふた味も違うんです。
今日はその違いをご紹介します。


オランダのパートタイム勤務のすごいところ①

「フルタイム」と同等の権利を持つ


まず、オランダのパートタイムは”非正規雇用”のことを指しません。
オランダ政府の働きかけにより、フルタイムとパートタイムの両者に”均等な待遇”が保証されているのが特徴です。

また、パートタイムになるからといって、会社を辞める必要もなく、同じ会社内でフルタイムからパートタイムに切り替えができます。
一時間あたりの賃金、年金や健康保険などの社会保障や、産休や育休、有給休暇などもフルタイムと同等の権利があるため、労働者は安心してパートタイムを選ぶことができるといいます。

それでいて、パートタイムなので当然、時短勤務が可能です。
個人的にはその時短勤務内容がとても魅力的に感じています。
1日あたりの労働時間を短くするだけでなく、例えば、週に5日勤務を4日や3日など、日数自体も減らすことができるんです。
(まさに、日本のパートタイムの”シフト制”のようですね。)

「子育てに専念したい」
「親の介護が必要」

ライフステージによって一時的にフルタイム勤務が難しい場合ってありますよね。

私には子どもはいませんが、例えば会社の先輩を見ていると、お子さんの具合が悪くなったとき。休みを取れたら問題ないのですが、そうもいかない場合もありますよね。
倍速で仕事を片づけている様子を見ると、大変だな……と思います。
(もちろん周りもフォローします)

そのような事態に備えてオランダは、
お父さん:月・火休み
お母さん:水・木休み
のようにしておいて、金曜日だけ丸一日保育施設に預ける、ということができるわけです。
もちろん、何日休むかは個人の自由です。

日本でもそのようなことが可能になれば、もっと子育てがしやすくなるのにな、と思います。

オランダのパートタイム勤務のすごいところ

男性もパートタイムを選べる


”働き方先進国”のオランダにとっては当然のことなのかもしれません。
男性も女性と同様、パートタイム勤務を選ぶことができます。

子育て期間中は男女ともパートタイムで乗り越え、子育てが落ち着いたタイミングでフルタイムに戻すことだって可能です。
なかには、女性がフルタイム勤務を継続し、男性がパートタイムに切り替える、といったケースもあるようです。

自由……!

男性も女性と同様に、在職中の会社を離れることなく、容易に働き方を切り替えられるのです。
うらやましい限りですね……。

オランダのパートタイム勤務のすごいところ

キャリアにマイナス影響を与えない


日本の場合、一度フルタイム(正社員)を離れると、なかなか正社員として復職することは難しいという話があるのも現実。

ですがオランダの場合、先述のように本人の希望に応じてフルタイムに戻ることができます。
(それも、いたって容易に。)

その上、職種や企業にもよりますが、パートタイム勤務のまま管理職に就くことも可能といいます。

キャリア形成の観点からも、パートタイム勤務がマイナスに捉えられることはないので、プライベートに比重を置きたいという理由で、あえてフルタイムに戻らない人も多くいるそうです。

オランダのパートタイム制度は、働き方だけでなく”生き方”自体を自由に選択できる制度、と言えるかもしれません。

もちろん、パートタイム勤務はフルタイムと比べて労働時間は短くなるので、所得自体は下がります。
ですが”必要な分だけ稼いで生きていく”という選択も、個人的には素敵だなぁと感じています。

日本も早く、いろんな選択ができるようになってほしいですね。




日本もさまざまな制度の拡充で、子育てしながらも働きやすい環境は整えられつつあるとは思います。
ですがやはりオランダと比べると、まだまだかなと思うところがありますよね……。

制度や社会の仕組みなどは、私たち個人の力ではすぐに変えられるものではありません。
ですが他国の良い文化を知ることで、個々人の意識が少しずつ変わり、最終的には社会の流れも変えていくのかな、なんて思ったりしています。

オランダ の魅力的な制度はまだまだたくさんあります!
今日は「パートタイム」制度のご紹介でした。

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