ベルギーのお菓子、スペキュロスとは?

スペキュロスはコーヒタイムにもぴったり(写真提供:豊産業株式会社)


甘いものが大好きなベルギー人。そんなベルギーから輸入されるチョコレートやワッフルなどのスイーツは品質も高く、日本でもたくさんの商品が流通しています。多くの人が一度は口にしたことがあるのではないでしょうか。

チョコレートやワッフル以外にも、ベルギーのお菓子として有名なものに「スペキュロス」があります。スペキュロスはビスケットの一種。日本国内でよく食べられているビスケットやサブレとは異なり、少しハードに焼き上げられていることが特徴です。名前の由来は諸説ありますが、オランダ語の「specerij」や、英語の「spice」などが語源と言われています。名前の通り、スペキュロスにはシナモンやナツメグなどのスパイスが含まれており、一口頬張ればその風味を感じることができます。

日本国内でもたくさんのメーカーの商品が流通しています

スペキュロスはもともと、ベルギーやオランダ、ルクセンブルクの子どもたちにとって、クリスマスのような位置づけの「聖ニコラの日」(12月6日)に食べられていたものでした。今では身近なお菓子として、ベルギー国内では毎日ビスケット感覚で食べたり、カフェでコーヒーをオーダーすると一緒にサーブされたりと、年中親しまれています。ビスケット形状のもの以外にも、スペキュロスの味わいをそのままペースト状にした「スプレッド」もあり、朝食時にパンに塗って食べる人も多いといいます。日本国内でも、海外の食品を取り扱うお店などでスペキュロスやスプレッドを簡単に購入することができます。

日本でも手に入るスペキュロス「VERMEIREN」

「ベルギー大使館推奨」マークが入った「VERMEIREN」のパッケージ


ベルギー国内はもちろん、今では日本でも、たくさんのメーカーの商品が流通しているスペキュロスですが、今日はその中から「VERMEIREN」(ベルメーレン)のスペキュロスをご紹介します。

「VERMEIREN」のスペキュロスのパッケージには「ベルギー大使館推奨」のマークがあります。このマークは『ベルギー国内で一般的に流通しているか』、『ベルギーの魅力を日本に伝えることができる商品か』などの審査をクリアした商品に付与されるもの。「VERMEIREN」のスペキュロスが、ベルギー国内で親しまれていることがわかります。

人気の理由はその味わいにあります。一口頬張ればザクザクとした食感が楽しめ、口の中いっぱいにシナモンの香りが広がります。ブラウンシュガーのやさしい甘さと、軽い食感が後を引き、気がつけば一つ、そしてまたもう一つと、次から次へと手を伸ばしてしまいます。


やさしい味わいの秘密は素材と製法にあり


「VERMEIREN」のスペキュロスは、上白糖やシロップで甘みを出すのではなく、ブラウンシュガーや、さとうきびからつくられる砂糖を使用しています。そのため、甘すぎない、素朴な風合いに仕上げられています。
また、防腐剤や人工着色料、人口調味料も不使用。ついつい食べ過ぎてしまうお菓子だからこそ、うれしいポイントですね。

独特の味わいや風味を生み出す秘訣は製法にもあります。
1650年の創業当初から続く伝統のレシピで生地を練り上げたら、まずは一晩寝かせます。この工程を加えることで、生地が空気を含み、独特のザクザクした食感を生み出せるのだとか。その後、じっくり丁寧に焼き上げられていくのですが、なんと全工程に24時間以上もかかるといいます。手間はかかりますが、食感や風味を生み出すために「VERMEIREN」はその製法を続けています。

そうして焼き上げられたスペキュロスはベルギー国内はもちろん、ヨーロッパ各国、アメリカ、そして日本など、様々な国へと届けられます。
もちろん、日本で食べられる「VERMEIREN」のスペキュロスも、本場ベルギーで出回っているものと同品質・同材料。日本国内では「オリジナル」フレーバーのほか、「チョコチップ」、桜のシーズンには日本限定の「クランベリー&チェリー」フレーバーが登場します。


日本限定の「クランベリー&チェリー」(写真提供:豊産業株式会社)

”美食の国”ベルギーには美味しいものがたくさん


ワッフルやチョコレートのイメージが強いベルギーですが、今回はスペキュロスを紹介しました。ベルギーには他にも、煮詰めた果汁をぎゅっと固めたお菓子「キュベルドン」や、セロリの風味が効いた「セロリ塩」など、まだまだ日本では知られていない美味しいものがたくさんあるといいます。ぜひこれらも食べてみたいですね。

コロナ禍でベルギーへ行くことができるのはしばらく先になりそうですが、まずは手軽に楽しめる「VERMEIREN」のスペキュロスから、”ベルギー”を感じてみてはいかがでしょうか。



*記載内容は取材当時のものです。

取材協力:
VERMEIREN社(ベルギー)
豊産業株式会社(日本)
ベルギー大使館(日本)

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