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北欧に来たからにはデニッシュペストリーは必食
こんにちは。
胃袋の中には常にバターとクリームが入っている、ライターの土橋水菜子です。
2022年10月から11月にかけて、デンマーク、スウェーデン、ドイツに3週間ほど滞在し、「#お菓子な旅」と題して、各国のスイーツや郷土菓子を食べ歩きました。
そのなかでも、とても印象に残っているのが、デンマークとスウェーデンのデニッシュペストリー!
シナモンロールやクリームがトッピングされたパンなど、デンマーク・スウェーデンは甘い系のパンのレベルがとっても高いんです。
反対に、サンドイッチ系はハムやチーズをサンドしたものなどシンプルな傾向。
デンマークの人は特に、ライ麦パンなどを用いて各家庭でスモーブロー(オープンサンドイッチ)をつくるので、あまり豪華なサンドイッチの需要がないのかも?
ベーカリーではシンプルなサンドイッチが多いですが、レストランやカフェに入れば、見ても楽しい、食べても美味しいオープンサンドイッチがたくさんあります。
なので、私は甘いパンはベーカリーで、惣菜系のパンはレストランやカフェでいただくようにしていました。
首都のコペンハーゲンには5日、海を渡ったお隣の国スウェーデンの街マルメには2日ほどステイし、10店舗以上のベーカーリーを食べ比べしてみました。
その中から、帰国後も忘れられないくらい「美味しい!」と感じたベーカリーをご紹介します。
コペンハーゲン(デンマーク)
BUKA
まず、ご紹介したいのがBUKA。
BUKAは2019年にオープンした、比較的新しいお店です。コペンハーゲンとその近郊に4店舗のお店を構えています。
地元のお客さんはもちろん、通勤途中にランチ用のパンを買いに立ち寄るサラリーマン、あまいかおりにつられて立ち寄る観光客など、お店にはひっきりなしにお客さんが訪れていました。
そんなBUKAで、ぜひぜひ食べていただきたいのが「BUKA SPECIAL SPANDAUERS(=BUKAのスペシャルスパンダワー/45DKK)」!
シーズンごとにトッピングは少し変わるようですが、私が食べたときはデニッシュ生地に、マスカルポーネのチーズクリームとラズベリーがトッピングされていました。
サックサクのデニッシュ生地と、ミルキーなマスカルポーネチーズクリームの相性はバツグン。マスカルポーネチーズクリームはまろやかな舌触りで、乳脂肪分のうまみが後を引くお味でした。最後に、甘酸っぱいラズベリーが後味をすっきりさせてくれます。
軽い食感のデニッシュとコクのあるクリームを口いっぱいに頬張る幸せたるや……。
あまりの美味しさに、後日再びBUKAを訪れました。
この日は「PARMA SANDWICH(=パルマサンドイッチ)」と「PISTACHIO CROISSANT(=ピスタチオクロワッサン)」をチョイス。
冒頭で、デンマークのベーカリーのサンドイッチはシンプルなものが多いとお話ししました。
けれども、BUKAのサンドイッチは具だくさんで、とても食べ応えがあります!
「PARMA SANDWICH」はフォッカチャにパルマ産の生ハム、セミドライトマト、ゴーダチーズ、ホウレンソウをサンドしたもの。
購入後、希望すればお店であたためてくれます。あたためたほうが、お焦げもついていい感じ。
表面はカリカリ、中はふっくらしたパンに、ソースがしたたるくらいジューシーな生ハム、野菜、チーズがたっぷり入っています。
価格は75DKKとお高めですが、2人分くらいのボリュームがあり、私は2日分に分けていただきました。
「PISTACHIO CROISSANT」はクロワッサンにピスタチオクリームをしぼったもの。
ピスタチオクリームは日によっては中にサンドされていたり、写真のように上にトッピングされていたりと異なるようです。作る人の気分?笑
豆のざらりとした感触が残るピスタチオクリーム。ピスタチオ好きにはたまりません。
クロワッサン本体にはシロップを染み込ませているため、少ししっとりしていました。
個人的にはパリパリのクロワッサンのほうが好きかも?
でも、このほうが持ち運び時の型崩れは防ぐことができますね…‥!
(パリパリクロワッサンはテイクアウトで持ち帰ると、パリパリの表層がわれ、袋の中で悲惨なことになっていることが多数)
1号店の店内はイタリアのヴィンテージ家具が使用されています。
くすんだ赤色のテーブルがおしゃれ!
Juno the bakery
続いてのアメージングペストリーは、Juno the bakeryのシナモンロールと、コペンハーゲンでは少しめずらしいカルダモンロール。
Juno the bakeryは、北欧料理レストラン「Noma」出身のシェフが立ち上げたベーカリー。Nomaは英レストラン誌が選ぶ「世界のベスト・レストラン50」で過去に5度首位を獲得したこともあり、食通には有名なレストランです。
お昼前くらいに訪れたのですが、平日にもかかわらずテラス席は満席。お店の外まで行列ができていました。
カルダモンロールは海を挟んだデンマークのお隣、スウェーデンではよく食べられています。けれども、コペンハーゲンではあまりお目にかかることはありませんでした。
なので、カルダモン好きはまずはJuno the bakeryへGO!
たっぷりのカルダモンとお砂糖がふりかけられており、購入後、パンが入った袋を開封したときのかおりがたまりません。
ふっくらと焼き上げられたパンは、食べ進めるたびにカルダモンとお砂糖の粒子のカリカリ食感がアクセントに。
表面はしっかり焼き込まれているので、こちらもパリッとした食感を楽しめます。
シナモンロールも忘れてはいけません。
Juno the bakeryのシナモンロールは、みたらし団子のタレのような、こってりとしたシナモンシロップに浸された状態で販売されています。
購入時には、店員さんがそのシロップを絡めとるようにしながら持ち帰り用の袋に入れてくれます。
結果、袋ばビタビタ。
一般的に、シナモンロールは平たく伸ばしたパン生地にシナモンを塗り、生地をロール状に巻き込むようにして作られることが多いので、ひたひたタイプはめずらしい!
ほおばった瞬間にじゅわっとシロップのあまみが広がり、幸せな気持ちで胸がいっぱいになります。たとえ手がベタベタになっても。
Meyers Bageri
Meyers Bageriはメディアでも引っ張りだこの美食家、クラウスマイヤーさんが立ち上げたベーカリーです。
店員さんがおすすめしたくれた「Spandauer(=スパンダワー/32DKK)」。
これがとっても美味しくて。
うすい氷を幾重にも重ねたようなパリパリのデニッシュ生地に、バニラがかおるカスタードクリームがたっぷりトッピングされています。
カスタードクリームはこっくりした味わいですが、生地がとても軽い食感なのでバクバクいけちゃいます。
一瞬で、跡形もなく私の手から消え去りました。
クロワッサンにハムとチーズがサンドされたパンもいただきました。
でもやっぱり甘い系がおすすめかな。
Det Rene Brød
デンマークの郷土菓子をいろいろ試したい方にはここ! Det Rene Brød。
Det Rene Brødは、オーガニックの材料を使用してパンづくりをしているベーカリー。
ヴィーガンメニューにも対応しており、該当しているパンには植物の芽のようなマークが記載されています。
もちろん、あまいパンもオーガニック!
どのパンにもデンマーク国家認証のオーガニックマーク、通称「Øマーク」が表示されています。
私は「Marrokansk appelsinkage(=モロッカンオレンジケーキ/23DKK)」と「Hindbærsnitter(=ヒンベアスニッテン/21DKK)」を購入しました。
「Hindbærsnitter」はしっとりとした甘いビスケット生地に、ラズベリージャムがサンドされています。
トップにはお砂糖でできたピンク色のフィリングもたっぷりと。
デンマークではポピュラーなお菓子のようで、デンマークの人の甘党ぶりがうかがえます。
「Marrokansk appelsinkage」はアーモンドプードルとオレンジの果汁がたっぷり入ったスポンジケーキです。
私が購入した際はハロウィン仕様で、クモの巣の模様が描かれていました。
コーヒーもいいのですが、紅茶と一緒にさっぱりいただくとより美味しい気がします◎
マルメ(スウェーデン)
LEVE
日程に余裕のある方は、コペンハーゲンから鉄道でおよそ30分のところに位置する、マルメ(Malmö)を訪れるのもおすすです。
マルメはスウェーデン最南のスコーネ地方にある都市。デンマークとは海を挟んでお隣です。
同じ北欧でも、デンマークより宿代や食事代が比較的安価なので、マルメに宿をとってコペンハーゲンを観光するのもアリだと思います。
実際、マルメに暮らしてコペンハーゲンに働きに出る人も多いんだそう。
街自体もきれいですし、食事も美味しいところが多いんです。
そんなマルメで訪れたいベーカリーはLEVE。
CO2の排出量を減らすため、食材は近郊で集められるものを中心としながら、体にやさしいパンづくりをしているお店です。
パンは天然酵母の一種であるサワードウを使用。水とサワードウだけで丸一日かけて、生地をゆっくり自然発酵させるそう。この過程のなかで、パンに含まれるグルテンの一部も発酵し、消化しやすい状態になるのだとか。
すべてのパンは石窯で焼き上げられるため、香りもゆたかです。
そんなLEVEでいただいたのが、目にも鮮やかなペストリー。
「vaniljbulle med Äpple(=アップルバニラパン)」は、持ち上げると重さでパンが曲がりそうになるくらい、たっぷりのりんごとシナモン、バニラクリームがトッピングされたパン。
ジューシーなりんごと濃厚なバニラクリームが口の中であわさり、とてもリッチな味わいです。
「chokladboll(=チョコレートボール)」はデンマークでポピュラーなお菓子ですが、マルメでも見かけたので買ってみました。
ラム酒が混ぜ込まれたしっとりとしたココア味の生地に、ココナッツがまぶされています。
舌触りとしては、少し軽めのガトーショコラのようなイメージです。
ルンド(スウェーデン)
Broder Jakobs Stenugnsbageri
マルメを訪れたら、そこからさらに鉄道で15分ほどで行けちゃうスウェーデンの街、ルンド(Lund)へも足を伸ばしてみてください。
可愛らしい建物の数々に、胸が高まること必至です。
そんなルンドで評判のベーカリーはBroder Jakobs Stenugnsbageri。
店内にはイートイン席があるのですが、雰囲気がよいため、時間によっては座席の争奪戦が繰り広げられています。
いただいたのはふわっふわのシナモンロール。ここまででご紹介した中で一番やわらかいパンかも?
もちろん、シナモンもしっかりきいています。
ちなみに、Broder Jakobs Stenugnsbagerはコーヒーを注文すると、店内にあるマシンを使って自分でコーヒー淹れる、セルフサービススタイルです。
そしてこのコーヒー、おかわり無料のようで!
マルメやルンドではコーヒーのおかわりを自由にできたり、コロンビア、ケニアなど好きな産地を選んで淹れることもできたりと、コーヒー好きにはうれしいお店が多くありました。
お腹が満たされると、街歩きをする足取りも軽くなります。
ネコちゃんに窓越しに遊んでもらいました。
動物は世界のどこで見ても可愛いですねぇ。
〉Broder Jakobs Stenugnsbageri公式サイト