春にオランダを訪れるのなら、ぜひ食べて欲しい食材があります。

それは、アスパラガスです。

「え、アスパラガス!?」とあなどることなかれ…。

ここでいうアスパラガスとはホワイトアスパラガスを指します。
ホワイトアスパラガスは、「野菜の女王」「食べる象牙」「貴婦人の指先」といった異名をもちます。
オランダやベルギー、フランスやドイツなどのヨーロッパの一部の国ではとても人気のある食材なんです!



なぜ人気?ホワイトアスパラガス

ヨーロッパの冬は長く、寒さも厳しい…。
そのため、昔は冬の間に食べられる野菜といえば保存用に発酵させたものや、日持ちのする玉ねぎ程度だったそう。

寒いし、暗いし、食べ物も少ない!!
…そんなさみしい冬がようやく終わり、春の訪れとともに芽を出すのがアスパラガスでした。

つまり、ヨーロッパの人々にとってアスパラガスは、春の到来を実感させる “幸せの象徴”なんです。
日本でいう、桜の花が咲いたときの気持ちに似ているのかもしれませんね。

そのなかでもホワイトアスパラガスは「野菜の女王」の異名を持ち、とりわけ人気なんです。

ホワイトアスパラガスはどんな味?食べられるお店は?

3月から5月*にかけて旬を迎えるホワイトアスパラガス。
現在でもシーズンが訪れると、レストランではこぞってホワイトアスパラガス料理を提供し、家庭ではアスパラガス専用の特別な鍋(アスパラガスを切らずにまるごと茹でられる、円柱状の鍋!)を引っ張り出してきて調理するなど、お祭り騒ぎ!

*国によって時季は若干異なりますが、オランダ・ベルギーではGW中の旅行だとだいたい巡り会えます!

日本でよく食べられるグリーンアスパラガスとは異なり、ホワイトアスパラガスは青臭さがありません。
ボイルしたものをシンプルな味付けでいただいたり、ソテーしてメイン料理として楽しむなど、調理法もさまざまです。

シーズン中はいろんなお店で提供されるホワイトアスパラガス料理ですが、今回はその中でもアスパラガスのコースメニューが食べられるお店をご紹介します。

中央よりやや右に写るのが、今回ご紹介するレストラン「ファイフ・フリーヘン」の看板

1939年に創業した「ファイフ・フリーヘン(Restaurant d’Vijff Vlieghen)」。首都アムステルダムにお店を構えています。
こちらのレストランでは、今回のアスパラガスのコースメニューのほか、オランダの伝統料理を楽しむことができます。

ちなみに、店名のファイフ・フリーヘンはオランダ語で「5匹のハエ」という意味をもちます(!)

もともとグラスがテーブルにセッティングされている系のお店って緊張する。笑

キャッチーな店名とは裏腹に、17世紀の建物を使用した店内は歴史のある佇まい。
落ち着いた照明が光を落とす店内は、数々のアンティーク調の調度品と相まって重厚な雰囲気が漂っています。

実は、ウォルト・ディズニーやミック・ジャガーなど著名人が訪れたことでも有名なレストランです。
彼らが座った椅子には、プレートが取り付けられています。

いただいたメニューはこちら!

ホワイトアスパラガスのソテー。白身やグリーンアスパラガスも添えられていました。

ホワイトアスパラガスの最大の特徴とも言えるのが、その食感と風味です。
咀嚼した瞬間にシャリっと弾けるみずみずしさと、鼻を抜けるさわやかな香りが…たまりません!

グリーンアスパラガスと比較して、ホワイトアスパラガスは少し太めでやわらかいんです

あまみがあって、フルーティなホワイトアスパラガス。
初めて食べたときは「これは本当にアスパラガスに分類されるのか?」と、思わず二度見してしまったほど。
(実は私、グリーンアスパラガスがあまり好きではないのです)
こんな野菜が日本でも広く出回れば、お子さんの野菜嫌いは克服されるんじゃないかな、なんて思ったり。

後に残る甘い余韻に思わずうっとり…。
ホワイトアスパラガスパワーのおかげか、ともに添えられているグリーンアスパラガスも美味しくいただけました。

パリッと焼き上げられたお魚も香ばしくて◎

こちらはホワイトアスパラガスのスープ。さらりとしたクリーム仕立てでした。
なかにはぷるぷるの赤味魚が!

アスパラガスのほのかなあまみと、クリーミーなスープが絶妙にマッチ。
スプーンとパンを使って、最後の一滴までこそぎ取りました。笑

水のボトルがオリジナルで可愛かったです。5匹のハエ!笑

余談ですが、「ファイフ・フリーヘン」という名前の由来は、初代の建物の所有者ヤン・ファイフ・フリーヘンさんからとったのだそう。
決して「ハエ推し」というわけではないようです。

お会計後、来店を記念して分厚いノートにサインすることができます。
私は星のカービィを描いておきました(なぜ)。

お店の入り口はこんな感じ。やっぱり5匹のハエが目印です。
路地にあるので見落としにはご注意を!

また、ホワイトアスパラガスのコースメニューは期間限定なので、どうしても食べたい方は事前にメニューをチェックしてください。
ちなみに、通常のコースメニューは35ユーロ(3品/ドリンクは別)から。
意外にも、敷居が高すぎるわけではないのでおすすめです◎

「ファイフ・フリーヘン」公式サイト

「フランドル風アスパラガス」もおすすめ

アスパラガスの風味をしっかり味わいたいのなら、シンプルなメニューもおすすめです。

こちらは「フランドル風アスパラガス」として、ベルギーでも食されている料理です。
この写真のお店は閉店してしまったのですが(人気があったのに…)。
でもでも、このメニューはわりと定番なので、そのほかのレストランでも味わうことができます◎

ホワイトアスパラガスの大きさにびっくり!

シンプルなんですが、素材それぞれの味わいがしっかり活きて美味しいんです!

ボイルされたホワイトアスパラガスに卵とハムがトッピングされています。
アスパラガスには、卵黄にバターとレモン汁を加えたオランデーソースがたっぷりとかけられていました。

オランデーソースはエッグベネディクトにもよくかかっているソースです

さわやかな風味のホワイトアスパラガスに、お肉の味わいをダイレクトに感じられるハム。
ふわふわ卵とコクのあるオランデーソース…それぞれを別々に食べても、一緒に食べても美味しい。
サラダのような感覚で、バクバク食べてしまう危険な一品です。

あぁ、思い出しただけでもお腹が空いてきました…。

人気店は予約がベター

以上、ホワイトアスパラガスのご紹介でした!
最後に、初めてオランダへ訪れる方へ向けてちょっとだけTIPSをお伝えします。

チューリップが見頃を迎える3月中旬~5月中旬に、オランダへ訪れる人は多いかと思います。
その際、ガイド本に載っているような人気のお店は、あらかじめ予約をしておくのがおすすめです。

というのも、上記の時季はオランダへたくさんの観光客が訪れます。
オランダ料理を楽しめるようなお店は特に、世界各国からお客さんがやってきます。
せっかく足を運んでも「今日は予約でいっぱい」と断られることもしょっちゅう…私もご飯難民になりかけたことがあります。

大混雑の入り口!こちらは先ほどの「フランドル風アスパラガス」をいただいた「ハーシェ・クラース(Haesje Claes)」※現在はクローズ中

予約はWEBサイトを使用してもいいですし、ツチハシ家はホテルのフロントの人に予約をお願いすることが多いです。

「I would like to make a reservation.」と言いながら、ガイド本やお店のサイトなど電話番号がわかるものを提示しましょう。
すると、その場で電話をかけてくれます。あとは名前と日時を伝えればOK!
わが家は朝、観光へ出かける際にホテルの人へお願いしちゃいます。

事前に電話を入れておけば、案外当日でも予約は取ることができます。
お目当てのお店、特にオランダ料理を提供するお店はあらかじめ予約しておくと安心です。

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